自分の気持ちがわからなくなったとき。
これからの働き方や生き方に迷ったとき。
日々の中で立ち止まったときに、自分の心に耳を澄ませ
少しずつ整理するためのヒントをお届けします。
01|自分がどうしたいかわからないとき|気持ちを整理するためにできること
「これから、どうしたいのだろう」 そう考えてみても、答えが浮かばないことがあります。
仕事を続けるか、環境を変えるか。…[続きを読む]
02|40代・50代で「これからどう生きたいかわからない」と感じたとき|人生に迷ったときの考え方

40代・50代になると、ふと「これから、私はどう生きていきたいのだろう」と考えることがあります。[続きを読む]

03|キャリアカウンセリングとは?何を相談できる?相談内容や受けるタイミングを解説

「キャリアカウンセリングという言葉は聞いたことがあるけれど、何を相談するところなのだろう」
「転職を考えているわけではないけれど、今の仕事やこれからの働き方について誰かに相談してみたい」…
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04|職場の人間関係に疲れたとき|つらい気持ちを整理するためにできること

仕事そのものが嫌なわけではないのに、朝起きると「なんとなく仕事に行きたくないな」と感じることはありませんか。[続きを読む]

05|人に合わせすぎて疲れたとき|自分の気持ちを大切にするためにできること

本当は断りたいのに、頼まれると「いいですよ」と言ってしまう。「どっちがいい?」と聞かれると、つい「どちらでもいいよ」と答えてしまう。相手が不機嫌だと、「私が何かしたかな」と気になる。…[続きを読む]

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01|自分がどうしたいかわからないとき|気持ちを整理するためにできること

はじめに|自分がどうしたいかわからないとき

「これから、どうしたいのだろう」 そう考えてみても、答えが浮かばないことがあります。
仕事を続けるか、環境を変えるか。これからどんなふうに生きていきたいのか。
考えれば考えるほど、かえって自分の気持ちがわからなくなることがあります。
そんなときは、無理に答えを出そうとするよりも、まずは今の気持ちを少しずつ整理してみることが大切です。

この記事では、「自分がどうしたいかわからない」と感じるときに、自分の気持ちを見つめ、整理していくための方法をご紹介します。 

1.自分がどうしたいかわからなくなるのは、なぜ?

自分がどうしたいのかわからなくなる背景には、さまざまな理由があります。
たとえば、仕事や家族のことを優先し、「やるべきこと」「期待されていること」に応え続けているうちに、自分の気持ちを後回しにしてしまっていることがあります。
また、「失敗したくない」「周りに迷惑をかけたくない」「この年齢ならこうするべき」と正しい答えを探そうとするほど、自分が本当はどう感じているのかが見えにくくなることも。
さらに、いくつもの思いや不安が重なっていくうちに、自分の気持ちを整理すること自体が難しくなることもあります。

「どうしたいかわからない」

と感じたときは、答えを外に探そうとする前に、まず「今、私は何を感じているのだろう」と、自分の内側に目を向けてみることが大切です。 


2.わからないときに、無理に答えを出さなくてもいい

「自分はどうしたいのだろう」と考えても、すぐに答えが見つかるとは限りません。
わからないまま立ち止まる時間が必要なこともあります。

「やりたいことを見つけなければ」
「早く決めなければ」

と焦るよりも、もう少し手前にある気持ちに目を向けてみましょう。

「今、何にモヤっとしているのだろう」
「どの点につらさを感じているのだろう」
「本当は何を変えたいと思っているのだろう」

 一つひとつ自分に問いかけていくことで、すぐに答えは出なくても、自分が大切にしたいことや、これから進みたい方向が少しずつ見えてくることがあります。

 

3.自分の気持ちを整理するためにできる5つのこと

自分がどうしたいかわからないときは、頭の中だけで考え続けるよりも、少し違う角度から自分の気持ちを見つめてみませんか。 

ここでは、一人でもできる5つの方法をご紹介します。すべてを行う必要はありません。できそうなものから試してみてください。 

① 頭の中にあることを、そのまま書き出す

まずは、今考えていることや感じていることを、紙やノートに書き出してみましょう。

「仕事に行きたくない」「なんとなく疲れた」「本当はもっとゆっくりしたい」など、きれいな文章にする必要はありません。人に見せるものでもないので、正しいかどうかを考えず、書き出す順番やテーマなども気にせず、浮かんだ言葉をそのまま書いてみます。

言葉にして外に出すことで、頭の中にあったさまざまな思いが見えやすくなります。

 

② 「起きていること」と「自分の気持ち」を分けてみる

私たちは、実際に起きていることと、それについて自分が感じていることを一緒に考えてしまいがちです。

たとえば、「仕事で失敗した」という出来事に対して、「恥ずかしい」「不安だ」「落ち込んでいる」「この仕事を続けたくない」など、さまざまな気持ちや考えが浮かぶかもしれません。

起きていること・起きた事実と、自分の気持ちや考えを分けてみると、「私は何に引っかかっているのか」が見えやすくなります。

そして、良い・悪いと判断するのではなく、「私は今、こう感じているんだ」と、まずはその気持ちを受け止めてみましょう。

 

③ 「したいこと」より「したくないこと」を考える

「何がしたいかわからない」というときは、「したくないこと」から考えてみるのも一つの方法です。

「何がしたい?」と聞かれると答えられなくても、「したくないこと」なら思い浮かぶことがあります。したくないことを知ることも、自分が大切にしたいものを知る手がかりです。「何を始めるか」だけでなく、「何をやめたいか、減らしたいか」にも目を向けてみましょう。

 

④ 「こうするべき」をいったん外してみる

「家族のためには」「この年齢なら」「せっかくここまで続けたのだから」など、私たちの選択にはさまざまな「こうするべき」が影響しています。

すぐに現実を変える必要はありません。まずは、「誰かに納得してもらわなくてもいいとしたら、私はどうしたい?」と問いかけてみてください。

心の中だけでも制約を外してみることで、自分の気持ちに気づくことがあります。

 

⑤ 小さな「心が動く瞬間」に目を向ける

やりたいことは、大きな目標や夢として見つかるとは限りません。

「なんとなく気になる」「もう少し知りたい」「この時間は心地よい」「またやってみたい」。そんな小さな心の動きも、自分の気持ちを知る大切な手がかりです。

すぐに「これが私のやりたいこと」と決めなくても大丈夫です。
日々の中で自分の心がどこで動いているのかを少し意識してみると、自分が大切にしたいことや、進みたい方向が少しずつ見えてくるかもしれません。

日常のなかの「ちょっといいこと」をメモしておくことも、自分の興味・関心を知るヒントになります。

4.ひとりで考えていると、同じところをぐるぐる回ることもある

自分の気持ちを整理しようとしても、ひとりで考えていると、同じところを行ったり来たりすることがあります。

「今のままでは嫌だけれど、変えるのも不安」
「やってみたい気持ちはある。でも、失敗したらどうしよう」

そんなふうに、「でも」「やっぱり」と考え続けているうちに、何が自分の本当の気持ちなのかわからなくなってしまうこともあるでしょう。

そんなときは、信頼できる人に話してみることも一つの方法です。話すために言葉を探したり、相手から問いかけられたりすることで、自分でも気づいていなかった思いが言葉になることがあります。

誰かに答えを決めてもらうのではなく、自分の言葉を自分で聞き直す。
その対話の時間が、自分の気持ちを知るきっかけになることもあります。

 

5.「どうしたいかわからない」は、自分を見つめ直す入り口かもしれない

「自分がどうしたいかわからない」と感じると、答えを出せないことに焦りがちです。

けれども、「わからない」と感じたこと自体が、自分の気持ちに目を向けるきっかけになることもあります。

「何にモヤモヤしているのだろう」
「何を変えたいと思っているのだろう」
「どんなときに心が動くのだろう」

すぐに答えを出そうとせず、一つひとつ確かめていく。その時間が、自分の気持ちや大切にしたいことを知ることにつながっていきます。

 

6.まとめ|ひとりでは整理しにくいときは、誰かに話してみる

自分なりに考えてみても、気持ちがまとまらないことはあります。そんなときは、ひとりで答えを出そうとせず、誰かに話してみることも一つの方法です。

話すことは、すでに整理できていることを相手に伝えるだけではありません。「何から話せばいいかわからない」という状態でも、言葉にしながら少しずつ自分の気持ちが見えてくることがあります。 

カウンセリングルーム「言葉の相談室」では、対話を通して、まだ言葉になっていない思いや気持ちを一緒に整理していきます。こちらから答えを決めるのではなく、ご自身の中にある思いや大切にしたいことに気づき、これからを選んでいくための時間です。

「自分がどうしたいのかわからない」という段階でも、どうぞお気軽にお話しください。
▶言葉の相談室について詳しく見る

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02|40代・50代で「これからどう生きたいかわからない」と感じたとき|人生に迷ったときの考え方

はじめに|40代・50代、「これからどう生きたい?」と聞かれてもわからないとき

40代・50代になると、ふと「これから、私はどう生きていきたいのだろう」と考えることがあります。

仕事ではある程度の経験を重ね、子どもの成長や独立、親の年齢など、家族との関わりにも変化が訪れる時期です。

これまで目の前のことに一生懸命取り組んできたからこそ、少し立ち止まったとき、「このままでいいのかな」「これから何を大切にして生きていきたいのだろう」と迷うこともあるでしょう。
 

この記事では、40代・50代でこれからの生き方に迷ったときに、これまで大切にしてきたものを振り返りながら、これからの生き方を考えるためのヒントをご紹介します。

 

1.40代・50代になると「これからの生き方」に迷うのはなぜ?

40代・50代は、仕事や家庭など、さまざまな面で変化が重なりやすい時期です。 

仕事では、ある程度の経験を積み、責任ある立場を任される一方で、「この仕事をこのまま続けていくのだろうか」と、これからの働き方を考えることもあるでしょう。家庭でも、子どもの成長や独立、親の高齢化などによって、それまで担ってきた役割や生活のリズムが変わることがあります。

そうした変化のなかで、ふと「これから私はどうしたいのだろう」と考えることがあります。 

これまで、仕事では職場の期待に応え、家庭では家族のことを考えるなど、「自分がどうしたいか」よりも、周囲から求められることを優先してきた人もいるかもしれません。目の前のことに一つひとつ向き合ってきたからこそ、いざ自分のこれからを考えようとしても、自分の気持ちがすぐには見つからないことがあります。

 一方で、「本当はやってみたいことがある」と気づいていても、動けないこともあります。

 40代・50代になると、これまで積み重ねてきた仕事の経験や築いてきた人間関係があります。それらは自分を支えてくれる大切なものであるからこそ、「今まで築いてきたものを手放すことになるのではないか」「今から始めて、うまくいかなかったらどうしよう」「周りの人からどう思われるだろう」と、新しい一歩をためらうこともあるでしょう。

 経験を重ねたからこそ、大切にしたいものや失いたくないものも増えていきます。だからこそ40代・50代には、「どうしたいかわからない」だけでなく、「気持ちはあっても簡単には選べない」という、これまでとは違った迷いが生まれることもあるのです。

 

2.これからを考えることは、これまでを否定することではない

「これからどう生きたいのだろう」と考え始めると、「何か新しいことを始めなければ」「このままではいけない」と思うことがあります。

けれども、これからの生き方を考えることは、これまでの生き方を否定することではありません。

仕事を続けてきたこと。
家族との時間を大切にしてきたこと。
周囲から求められる役割に応えてきたこと。


そのなかには、これからも大切にしたいものがある一方で、「これは、もう十分頑張ったかな」と感じるものもあるかもしれません。

40代・50代からのこれからを考えるとき、すべてを変えて新しい自分になる必要はありません。

これまで大切にしてきたもののなかから、これからも残したいものを選ぶ。
反対に、今の自分にはもう必要がないと感じるものがあれば、少しずつ手放していく。
そして、これからの時間にもう少し増やしたいものを考えてみる。

そんなふうに、これまで歩んできた時間を振り返りながら、これからを考えていく方法もあります。

3.これからの生き方を考えるための3つの問い

「これからどう生きたい?」と聞かれても、すぐには答えられないことがあります。

そんなときは、これからの人生全体の答えを探すのではなく、これまでと今、そしてこれからに目を向けながら、次の3つの問いを考えてみてはいかがでしょうか。

 

① これまでの人生で、これからも大切にしたいものは?

これまでの仕事や暮らし、人との関わりのなかで、「これはこれからも大切にしたい」と思うものは何でしょうか。

仕事そのものかもしれません。
これまで培ってきた経験や、人とのつながりかもしれません。
家族と過ごす時間、一人で静かに過ごす時間、好きなことを楽しむ時間など、日々の暮らしのなかにあるものかもしれません。

「これからどうするか」を考えるとき、何かを変えることばかりに目が向きがちです。

けれども、これまでの自分が大切にしてきたもののなかに、これからの生き方を考える手がかりがあることもあります。

 

② 「もう手放したい」と感じているものは?

 「もう手放したい」といっても、すぐに何かをやめたり、大きく生活を変えたりする必要はありません。

これまで続けてきたことのなかに、
「これは、もう十分頑張ったかな」
「これからは、少し減らしてもいいかな」
と思うものはないでしょうか。

いつも周囲の期待に応えようとすること。
何でも自分で引き受けること。
無理をして続けている習慣や役割。

以前は大切だったものが、今の自分には少し合わなくなっていることもあります。

完全にやめるのではなく、「少し減らす」「以前ほど頑張らない」という選択もあります。
続けてきたからといって、これからも同じように続けなければならないわけではありません。

これまで頑張ってきた自分を否定するのではなく、
「これは、ここまででもいいかもしれない」
と考えてみることも、これからを選ぶ一つの方法です。

 

③ これからの時間に、少し増やしたいものは?

「これから何をしたい?」と考えると、大きな目標や新しい挑戦を見つけなければならないように感じることがあります。
けれども、もっと小さなところから考えてもかまいません。

「もう少し自分の時間がほしい」
「ゆっくり過ごす時間を増やしたい」
「好きな仕事に関わる時間を少し増やしたい」
「会いたい人に会う時間を大切にしたい」

そんな小さな願いも、これからの生き方を考える手がかりになります。

何を始めるかだけではなく、
何をこれからも大切にしたいのか。
何を少し減らしたいのか。
そして、何をもう少し増やしたいのか。

そう考えていくと、「これからどう生きたいのか」という大きな問いにも、少しずつ自分なりの輪郭が見えてくることがあります。

 

まとめ|これまでを大切にしながら、これからを考える

40代・50代は、仕事や家庭での役割、周囲との関係などに変化が重なり、これからの生き方を考えることが増える時期です。

これまで積み重ねてきたものがあるからこそ、簡単には選べないこともあります。

「これからどう生きたいのだろう」と迷ったとき、これまでをすべて手放したり、まったく新しい自分になったりする必要はありません。

これからも大切にしたいもの。
もう十分だと思うもの。
そして、これからの時間に少し増やしたいもの。

これまで歩んできた時間を振り返りながら一つずつ考えていくことで、自分なりの「これから」が少しずつ見えてくることがあります。

これまでの自分を大切にしながら、これからの自分に合う生き方を考えてみてはいかがでしょうか。

カウンセリングルーム「言葉の相談室」では、対話を通して、まだ言葉になっていない思いや気持ちを一緒に整理していきます。こちらから答えを決めるのではなく、ご自身の中にある思いや大切にしたいことに気づき、これからを選んでいくための時間です。

「自分がどうしたいのかわからない」という段階でも、どうぞお気軽にお話しください。

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03|キャリアカウンセリングとは?何を相談できる?相談内容や受けるタイミングを解説

はじめに|キャリアカウンセリングでは何を相談できる?

「キャリアカウンセリングという言葉は聞いたことがあるけれど、何を相談するところなのだろう」
「転職を考えているわけではないけれど、今の仕事やこれからの働き方について誰かに相談してみたい」

そんなふうに思ったことはありませんか。

キャリアカウンセリングは、転職や再就職について相談するだけのものではありません。今の仕事への迷いや職場での人間関係、これからの働き方や生き方など、さまざまなことを話すことができます。

 

この記事では、キャリアカウンセリングとはどのようなものなのか、相談できる内容や受けるタイミングについて、わかりやすくご紹介します。

 

1.キャリアカウンセリングとは?

キャリアカウンセリングとは、仕事や働き方、これからの生き方について、カウンセラーとの対話を通して考えや気持ちを整理し、これからについて考えていくものです。

「キャリア」というと、これまでの職歴や仕事上の経験を思い浮かべる方も多いかもしれません。しかし、仕事は暮らしや人間関係、自分が大切にしたいことなどとも深く関わっています。キャリアについて考えることは、これまでどのように歩んできたのかを振り返り、これからどのように働き、生きていきたいのかを考えることでもあります。

キャリアカウンセリングでは、カウンセラーが「こうしたほうがよい」と答えを決めるのではありません。話をしながら、これまでの経験や今感じていること、大切にしたいことなどを一緒に整理し、自分なりの方向を見つけていきます。

転職や就職など具体的な選択肢を考えるときだけでなく、「このままでいいのだろうか」と迷ったときにも利用することができます。

 出典・参考:日本キャリア開発協会(JCDA)「キャリアとは?」

 

2.キャリアカウンセリングでは何を相談できる?

キャリアカウンセリングでは、転職や就職についてだけでなく、仕事や働き方に関するさまざまな悩みを相談することができます。

たとえば、次のような相談があります。

今の仕事を続けるか、転職するか迷っている仕事にやりがいを感じられず、このままでよいのか不安自分に向いている仕事や、自分の強みがわからない職場の人間関係やコミュニケーションに悩んでいる昇進や異動を前に、これからの働き方を考えたい子育てや介護と仕事をどのように両立していくか考えたいこれからどのように働き、生きていきたいのかわからない

「転職したい」「この仕事に就きたい」といった具体的な希望が決まっていなくてもかまいません。

たとえば、「仕事を辞めたいわけではないけれど、何となく今の働き方に違和感がある」「これまで仕事を続けてきたけれど、これからも同じように働いていくのか迷っている」といった、まだ答えの見えない思いも相談することができます。

仕事についての悩みには、働く環境だけでなく、自分が大切にしたいことや家族との関係、これからの暮らしなどが関わっていることもあります。相談内容を仕事だけに限定せず、気になっていることから話してみることで、自分が本当に考えたかったことが見えてくることもあります。

 

3.キャリアカウンセリングを受けるタイミングは?

キャリアカウンセリングを受けるタイミングに、決まった基準はありません。転職や退職など、大きな決断をするときだけでなく、「少し立ち止まって、これからのことを考えてみたい」と感じたときにも利用できます。

たとえば、転職や退職を決める前、昇進や異動などで環境が変わるとき、子育てや介護などによって働き方を見直したいときなども、一つのタイミングです。

また、40代・50代になると、これまで積み重ねてきた経験を振り返りながら、「この先も今の働き方を続けていくのだろうか」「これからは何を大切にして働きたいのだろう」と考えることもあります。

はっきりとした悩みや結論がなくても、「何となくこのままでいいのかな」と感じ始めたときは、自分の気持ちやこれからについて考えてみる機会の一つです。キャリアカウンセリングは、そうした段階でも利用することができます。

 

4.キャリアカウンセリングで整理できること

一人でこれからのことを考えていると、同じことを何度も考えたり、何から考えればよいのかわからなくなったりすることがあります。

キャリアカウンセリングでは、カウンセラーとの対話を通して、今感じていることやこれまでの経験を振り返りながら、自分の考えを少しずつ整理していきます。

たとえば、今の仕事に感じている違和感、自分が大切にしたいこと、これまでの経験から身につけてきたことや強み、これからどのように働きたいのかといったことです。

誰かに話そうとすることで、頭の中にあった思いや考えが言葉になり、「自分はこんなことを大切にしていたんだ」「本当はここに迷っていたんだ」と気づくこともあります。

対話を重ねながら、自分自身の思いや考えに気づき、これからの選択や行動につながる自分なりの方向を見つけていきます。 

5.仕事の悩みは、仕事だけに理由があるとは限らない

「今の仕事を続けるべきか」「転職したほうがよいのか」と悩んでいても、話をしていくうちに、その背景に別の思いや迷いがあることに気づく場合があります。

たとえば、仕事そのものが嫌なのではなく、周囲の期待に応えようと無理をしていたり、家庭との両立に負担を感じていたりすることもあります。また、これからの人生を考えたときに、「今までと同じ働き方でよいのだろうか」と感じているのかもしれません。

仕事は、暮らしや家族、人間関係、自分が大切にしたいことなど、人生のさまざまな部分とつながっています。そのため、仕事について考えることが、自分自身の生き方や価値観を見つめ直すきっかけになることもあります。

最初から「何に悩んでいるのか」をはっきりさせる必要はありません。目の前の悩みについて話していく中で、その奥にある自分の思いや、本当に考えたかったことが少しずつ見えてくることもあります。

 

6.何を相談したいのかわからなくても大丈夫

キャリアカウンセリングを受ける前に、「相談したいことをきちんと整理しておかなければ」と思う方もいらっしゃるかもしれません。

けれども、「何から話せばよいのかわからない」「何に悩んでいるのか、自分でもよくわからない」という状態でも相談することはできます。相談したいことがまだはっきりしていないときにも、誰かと話すことが、気持ちを整理するきっかけになることがあります。

「今の仕事に大きな不満があるわけではないけれど、何となくこのままでいいのか気になる」「これからのことを考えたいけれど、自分がどうしたいのかわからない」。そんな漠然とした思いから話し始めてもかまいません。

誰かに話し、問いかけに答えながら言葉にしていくことで、自分でも気づいていなかった思いや、心の中で引っかかっていたことが見えてくることがあります。

相談するために、あらかじめ答えを用意する必要はありません。まだうまく言葉になっていないところから、一緒に整理していくことも、カウンセリングでできることの一つです。

 

まとめ|迷いを感じたときも、キャリアカウンセリングを利用できる

キャリアカウンセリングは、転職や就職など、具体的な選択をするときだけに利用するものではありません。

「このまま今の仕事を続けてよいのだろうか」「これから、どんなふうに働き、生きていきたいのだろう」と迷ったときにも、誰かと話すことで、自分の気持ちや考えを整理できることがあります。

大切なのは、相談する前に答えを出しておくことではありません。まだはっきりしていない思いも、言葉にしていく中で少しずつ見えてくることがあります。

 

カウンセリングルーム「言葉の相談室」では、国家資格キャリアコンサルタントとして、これまで多くの方の相談に携わってきたカウンセラーがお話を伺っています。

対話を通して、まだ言葉になっていない思いや気持ちを一緒に整理していきます。こちらから答えを決めるのではなく、ご自身の中にある思いや大切にしたいことに気づき、これからを選んでいくための時間です。

「自分がどうしたいのかわからない」という段階でも、どうぞお気軽にお話しください。

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04|職場の人間関係に疲れたとき|つらい気持ちを整理するためにできること

はじめに|職場の人間関係に疲れていませんか

仕事そのものが嫌なわけではないのに、朝起きると「なんとなく仕事に行きたくないな」と感じることはありませんか。

「今日はあの人に会いたくないな」
「また何か言われるかもしれない」

そんな小さな気の重さが、毎日のように続くこともあります。

一つひとつは「これくらいのこと」と思えても、積み重なるうちに職場にいることがつらくなり、「仕事を辞めたい」と考えるようになることもあります。

仕事の悩みというと、仕事内容や待遇、これからのキャリアなどを思い浮かべるかもしれません。しかし、一日の多くの時間を過ごす職場だからこそ、人間関係が働く気持ちに大きく影響することがあります。

この記事では、職場の人間関係に疲れたとき、相手とうまく付き合うための方法ではなく、自分の気持ちを整理するための考え方をご紹介します。 


1.職場の人間関係に疲れてしまうのはなぜ?

「職場の人間関係がつらい」といっても、その理由は人によってさまざまです。


上司や同僚の言葉や態度に傷ついている

強い口調で言われた。
自分の意見を否定された。
挨拶をしても返してもらえなかった。
ほかの人とは態度が違うように感じた。

一つひとつは小さな出来事でも、それが繰り返されると、少しずつ心が疲れていくことがあります。

「今日は何も言われませんように」と相手の顔色をうかがうようになったり、仕事以外の時間にも職場での出来事を思い出したりすることもあるでしょう。

周囲に気を遣いすぎている

「場の空気を悪くしたくない」
「嫌われたくない」
「迷惑をかけたくない」
そんな思いから、自分の気持ちよりも周囲を優先してしまうことがあります。

頼まれた仕事を断れない。言いたいことがあっても飲み込んでしまう。相手の機嫌が悪いと、「私が何かしただろうか」と気になってしまう。

さらに、人間関係につらさを感じても、

「ほかの人は平気そうだから」
「これくらいは我慢しないと」
「私にも悪いところがあるかもしれない」
「もっと上手に付き合わなければ」

と、自分の感じていることまで否定してしまうことがあります。

周囲への気遣いは大切なことです。けれども、「相手にも事情があるから」「自分にも悪いところがあるから」と考えることと、自分が傷ついたり、つらいと感じたりしていることは別のものです。

自分の感じ方を「気にしすぎ」と片づけず、まずは「私は今、つらいと感じているんだ」と気づくことも大切です。 

職場での立場や役割が負担になっている

雇用形態や役職など、職場での立場が人間関係に影響することもあります。

これまでご相談のなかでお話を伺っていると、派遣社員やパートとして働く方から、
「正社員より軽く扱われているように感じる」
「自分の意見は聞いてもらえない」
といった思いを伺うことがあります。

一方で、正社員やリーダー、管理職という立場にある方が、
「もっとしっかりしなければ」
「自分が頑張らなければ」
と、責任を抱え込み、頑張りすぎていることもあります。

置かれている立場は違っても、「この立場なのだから、こうしなければ」と思うことで、自分の気持ちを抑えたり、知らず知らずのうちに無理を重ねたりすることがあります。

価値観や仕事の進め方が合わない

仕事に求めるものや、仕事の進め方は人それぞれです。

丁寧に確認しながら進めたい人もいれば、まずはスピードを重視する人もいます。周囲と相談しながら進めたい人もいれば、自分で判断して進めることを好む人もいます。

どちらかが間違っているわけではなくても、こうした違いが重なると、「どうして分かってもらえないのだろう」とストレスを感じることがあります。

苦手でも簡単には距離を置けない

プライベートな人間関係であれば、少し距離を置くという選択もできます。

しかし職場では、苦手な相手とも毎日のように顔を合わせたり、一緒に仕事を進めたりしなければならないことがあります。

そのため、「人間関係が合わない」というだけでも、思っている以上に大きな負担になることがあります。

職場の人間関係に疲れることを、すべて「自分のコミュニケーション能力の問題」と考える必要はありません。

 

2.職場の人間関係に疲れたとき、気持ちを整理する4つの視点

では、人間関係がつらいと感じたとき、どのように自分の気持ちを整理していけばよいのでしょうか。

① 何がつらいのかを具体的にしてみる

「あの人が苦手」
「職場の人間関係が嫌だ」
という気持ちだけでは、自分が何につらさを感じているのか、なかなか見えてきません。

そんなときは、少し具体的に振り返ってみます。

どんな場面で嫌だと感じたのか。
どんな言葉や態度が気になったのか。
そのとき、自分はどんな気持ちになったのか。

たとえば、「上司が苦手」だと思っていたけれど、振り返ってみると、「みんなの前で注意されることがつらい」と分かるかもしれません。

何がつらいのかが具体的になると、自分が抱えている問題も少し見えやすくなります。

 

② 「何があったか」「どう感じたか」「どう受け取ったか」を分けてみる

人間関係では、実際に起きた出来事と、それを自分がどう受け取ったかが重なっていることがあります。

たとえば、仕事に必要な連絡メールに、自分だけ入っていなかったとします。

この場合、

「自分だけメールが届いていなかった」という出来事があり、
「悲しかった」
「腹が立った」
という気持ちがあり、 さらに、

「自分は大切にされていないのではないか」
「パートだから軽く見られているのではないか」
という受け取り方が重なっていることがあります。

実際には、単なるミスで宛先から抜けてしまっただけかもしれません。
反対に、同じようなことが何度も繰り返されていて、ほかにも気になる言動があるのかもしれません。

大切なのは、すぐに「相手は自分を軽く見ている」と決めつけることでも、「自分が気にしすぎているだけ」と片づけることでもありません。

「何があったのか」
「自分はどう感じたのか」
「その出来事をどう受け取ったのか」
と、一つずつ分けてみます。

そうすることで、何が事実なのか、そして自分が何に反応し、何に傷ついたのかも見えやすくなります。

これは、「あなたの思い込みですよ」と自分の感じ方を否定するためではありません。実際に不適切な言動や扱いを受けている場合まで、「自分の受け止め方の問題」にする必要はないからです。

③ 「本当はどうしてほしかった?」と考えてみる

自分の気持ちが少し見えてきたら、もう一歩進んで、

「私は、本当はどうしてほしかったのだろう」

と考えてみます。

「雇用形態に関係なく、自分の意見も聞いてほしかった」
「みんなの前ではなく、二人のときに伝えてほしかった」
「頑張っていることを、認めてほしかった」
そんな思いが出てくるかもしれません。

そこには、自分が人との関係で大切にしていることが隠れています。

「公平に扱われたい」
「安心して意見を言える関係でいたい」

自分が何を大切にしているのかが分かると、これからどうしたいのかを考える手がかりにもなります。

④ 職場での「立場」と「自分自身」を少し分けて考えてみる

私たちは知らないうちに、職場での立場に自分自身を合わせようとしていることがあります。

「パートだから、あまり意見を言わないほうがいい」
「正社員だから、これくらいできて当然」
「管理職だから、弱音を吐いてはいけない」
「リーダーなのだから、自分が何とかしなければ」

そう考えることが、仕事をするうえで必要な場面もあるでしょう。

けれども、それによって自分を必要以上に小さくしたり、反対に多くのものを背負わせたりしていないでしょうか。

「その立場だから、本当にそこまでしなければならないのだろうか」

と、一度問い直してみてもよいかもしれません。

職場で担っている役割は、自分の一部ではありますが、それだけで自分自身の価値が決まるわけではありません。

同じように、相手が自分をどう評価しているかと、自分自身の価値も別のものです。

相手の態度や言葉によって傷つくことはあっても、それによって自分自身の価値まで低くなるわけではありません。

 

3.自分にできることと、できないことを分けてみる

人間関係には、自分の力だけでは変えられないことがあります。

相手の性格や考え方、態度を、自分の思い通りに変えることはできません。

一方で、自分で選べることはあります。

相手との距離の取り方を少し変える。
自分の気持ちや考えを伝えてみる。
信頼できる上司や人事担当者に相談する。
業務や配置について相談してみる。
働く環境そのものを見直す。

「仕事を辞める」か「このまま我慢する」か。

人間関係に疲れていると、その二つしかないように思えることがあります。

けれども、その間にも選択肢はあります。

今すぐ大きな決断をしなくても、自分にできることとできないことを整理しながら、「自分はどうしたいのか」を少しずつ考えていくことができます。

4.職場の人間関係の悩みは、誰かに話してもいい

職場の人間関係について悩んでいても、誰かに相談することをためらう人は少なくありません。

「こんなことで相談していいのかな」
「自分にも悪いところがあるかもしれない」
「ただの愚痴になってしまいそう」
「職場の人に話したら、相手に伝わってしまうかもしれない」

そう思うと、一人で抱えてしまうことがあります。

けれども、人に話すことは、誰かの悪口を言ったり、「どちらが悪いか」を決めたりすることではありません。

話しながら言葉にすることで、自分でも気づいていなかった気持ちが見えてくることがあります。

職場の中では話しにくいことであれば、職場とは離れた第三者に話してみるのも一つの方法です。

カウンセリングルーム「言葉の相談室」でも、職場の人間関係についてのお話を伺っています。

仕事を辞めるかどうかを決めてから相談する必要はありません。

「最近、あの人に会うのがちょっと嫌だな」
「このまま働き続けるのが、なんとなくしんどい」

そんな段階でも、自分の気持ちを整理するために相談することができます。

職場の人間関係やこれからの働き方についても、キャリアカウンセリングで相談できる内容の一つです。

▶ キャリアカウンセリングとは?何を相談できる?相談内容や受けるタイミングを解説

 

まとめ|自分のつらさを置き去りにしない

職場の人間関係には、自分だけでは変えられないこともあります。

だからこそ、「どうすれば相手とうまく付き合えるだろう」と考えるだけではなく、自分の気持ちにも目を向けてみてください。

朝、「なんとなく仕事に行きたくないな」と思う。

それだけでは、大きな問題ではないように感じるかもしれません。

けれども、そんな気持ちが続いているのであれば、「これくらいのこと」と置き去りにせず、自分が何を感じているのかを知る時間をつくってみてもよいのではないでしょうか。

カウンセリングルーム「言葉の相談室」では、対話を通して、まだ言葉になっていない思いや気持ちを一緒に整理していきます。こちらから答えを決めるのではなく、ご自身の中にある思いや大切にしたいことに気づき、これからを選んでいくための時間です。

「自分がどうしたいのかわからない」という段階でも、どうぞお気軽にお話しください。

▶言葉の相談室について詳しく見る

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05|人に合わせすぎて疲れたとき|自分の気持ちを大切にするためにできること

はじめに|人に合わせることに疲れていませんか

本当は断りたいのに、頼まれると「いいですよ」と言ってしまう。
「どっちがいい?」と聞かれると、つい「どちらでもいいよ」と答えてしまう。
相手が不機嫌だと、「私が何かしたかな」と気になる。
自分の予定よりも、家族や周囲の都合を優先する。

そんなことが続いて、気づけば疲れていた、ということはありませんか。

人に合わせること自体が、悪いわけではありません。

相手の気持ちを考えたり、周囲との関係を大切にしたりできることは、その人のよさでもあります。

けれども、いつも相手を優先して、自分の気持ちを後回しにしていると、少しずつ疲れがたまっていくことがあります。

ときには、
引き受けたら、私はどうなるだろう」
「私は本当はどうしたいのだろう」
と、自分にも目を向けてみてもよいのではないでしょうか。

この記事では、「人に合わせない人になる」のではなく、周りの人を大切にしながら、自分の気持ちも同じように大切にしていくための考え方をご紹介します。

1.なぜ、人に合わせすぎてしまうのだろう

人に合わせてしまう背景には、さまざまな思いがあります。

相手をがっかりさせたくない
「断ったら悪いかな」
「せっかく誘ってくれたのだから」
「困っているなら、私がやったほうがいいかな」
そんなふうに、相手の気持ちを先回りして考えることがあります。

相手を思いやることができるからこそ、自分の都合よりも相手を優先してしまうこともあるでしょう。

嫌われたり、関係が悪くなったりするのが怖い
自分の意見を伝えたことで、相手の機嫌を損ねたり、関係がぎくしゃくしたりするのが怖い。
それなら、自分が合わせたほうがいい。
そう考えて、自分の希望を言わないことが習慣になっている場合もあります。

 

「自分が我慢すれば丸く収まる」と考える
家族や職場など、これからも関係が続いていく相手ほど、「波風を立てたくない」と思うことがあります。
「私が我慢すればいい」
「これくらいなら大丈夫」
そうやって一つひとつを受け入れているうちに、いつの間にか無理を重ねていることもあります。

 

周囲の期待や役割に応えてきた
「母親だから」
「娘だから」
「妻だから」
「社会人だから」
「頼られているから」

私たちは日々、さまざまな役割を担っています。
その役割を大切にし、周囲の期待に応えようとすることは、決して悪いことではありません。

けれども、それが長く続くうちに、
「私はどうしたい?」よりも、
「私はどうするべき?」
を先に考えることが当たり前になっていることがあります。

 

2.人に合わせ続けていると、自分の気持ちが見えにくくなることも

以前、ご相談のなかで、
「お母さんは何がしたいの?」
とお子さんから聞かれ、答えられなかったというお話を伺ったことがあります。

子どものこと、親のこと、家のこと、仕事のこと。

どれも大切にしたいと思い、一つひとつに向き合っているうちに、自分のことはいつの間にか後回しになっていたそうです。

ご相談を伺っていると、真面目に周りのことを考え、頑張ってきた方ほど、自分の気持ちを後回しにしていることがあります。

「あなたはどうしたい?」
「あなたの好きに決めていい」
そう言われて、すぐには答えが出てこない。

それは、自分の意見や気持ちがないからではありません。

長い間、自分より先に相手のことを考えてきたために、「私はどうしたい?」と自分自身に尋ねる機会が少なくなっていただけなのかもしれません。

そんなときは、まず、自分の中にある小さな気持ちに目を向けてみてもよいかもしれません。

▶ 自分がどうしたいかわからないとき|気持ちを整理するためにできること

では、日常のなかで自分の気持ちに気づき、大切にしていくためには、どんなことができるのでしょうか。 

3.自分の気持ちを大切にするためにできる3つのこと

人に合わせることが当たり前になっていると、急に「もっと自分を大切にしよう」と思っても、どうしたらよいかわからないことがあります。
大きく変えようとせず、日常の小さなところから始めてみましょう。

 

① 「私はどうしたい?」と聞いて、その気持ちを受け止める

誰かから何かを頼まれたとき、答える前に、一度だけ「私は、どうしたい?」と自分に聞いてみます。

「本当は今日は休みたい」
「今回は断りたい」
「実はやってみたい」

そんな気持ちが浮かんできたら、すぐに「でも」「そんなことを言ったら」と打ち消さず、
「私は、本当はそうしたいんだね」
と、まずはその気持ちを受け止めてみます。

それから、自分の中に浮かぶ考えにも少し目を向けてみましょう。

すると、「こんなことを思ってはいけない」と感じるかもしれません。
そんなときも、その考えを否定せず、
「そんなことを思ってはいけない、と思っている自分がいるんだ」
と、少し離れたところから自分を眺めるようにしてみます。

誰かに何かを頼まれたときだけではなく、日常の小さな選択のなかで、自分の気持ちを確かめてみることから始めてもよいかもしれません。

日々の小さな選択のなかで、自分に尋ねることを重ねていくと、自分の感覚が少しずつ見えやすくなっていきます。

自分の気持ちを受け止めることと、その気持ちのとおりに行動することは別です。

「本当は断りたい」と気づいたとしても、事情を考えて「今回は引き受けよう」と決めることもあるでしょう。

それでも、「断りたいと思っている自分」をなかったことにせず、その気持ちを知ったうえで選ぶことには意味があります。

まず自分の気持ちを知り、そのうえでどうするかを選ぶ。その小さな積み重ねも、自分の気持ちを大切にすることにつながります。

② 「断ったら相手はどう思う?」だけでなく、「引き受けたら私はどうなる?」も考える

人に合わせることが多い人は、
「断ったら相手が困るかな」
「嫌な人だと思われないかな」
と、自然に相手への影響を考えていることがあります。

そんなとき、もう一つだけ問いを加えてみます。

「では、引き受けたら私はどうなる?」

相手への影響を考えるのと同じように、自分への影響も考えてみます。
すると、
「今週は予定がもういっぱいだから、引き受けると余裕がなくなりそう」
「今日は体がしんどい」
「無理をしたら、明日まで疲れが残りそう」
など、自分への影響も見えてきます。

相手のことだけでも、自分のことだけでもなく、両方を判断材料にしてから決めてもよいのです。

③ 「相手を大切にする」と「自分を大切にする」を二択にしない

「断るか、引き受けるか」

二つの選択肢しかないように思えることがあります。

けれども、
「今日は難しいけれど、来週ならできます」
「全部はできないけれど、ここまでならできます」
という方法もあります。

自分を大切にするために、相手を大切にすることをやめる必要はありません。

相手の事情も考えながら、自分の事情も考える。

その間にある、自分にも相手にも無理のない方法を探してみることも、一つの選択です。

4.「自分を優先するのはわがまま」と感じるとき

これまで周りの人を優先してきた人ほど、自分の希望を伝えることにためらいを感じることがあります。

「こんなことを言ったら、わがままかな」
「自分勝手だと思われないかな」
そんな思いが浮かんでくるかもしれません。

けれども、自分の気持ちを大切にすることと、自分の希望を何でも押し通すことは同じではありません。

いつでも自分を一番にする必要もありません。

相手の事情や気持ちを考えるのと同じように、自分の事情や気持ちも、一つの大切なものとして扱ってみる。

そのくらいから始めてもよいのではないでしょうか。

これまで人に合わせることが多かった人にとって、自分の希望を伝えることは、最初は少し勇気がいるかもしれません。

けれども、自分の気持ちに気づき、それを無視しないことから、少しずつ始めていくことができます。

まとめ|そのやさしさを、自分自身にも向けてみる

人の気持ちを考えられること。
周りの人を大切にできること。
誰かのために頑張れること。

それは、これまで大切にしてきた、その人の強みでもあります。

だから、「これからは人に合わせるのをやめよう」と考える必要はありません。

「相手はどうしたいだろう」
と考えるとき、ときには、
「私はどうしたいだろう」
と、自分にも問いかけてみてください。

そして、すぐに答えが出なくても、
「私は今、こう思っているんだね」
と、その気持ちを受け止めてみる。

周りの人に向けてきたやさしさを、自分自身にも少し向けてみることから始めてみてはいかがでしょうか。

カウンセリングルーム「言葉の相談室」では、対話を通して、まだ言葉になっていない思いや気持ちを一緒に整理していきます。こちらから答えを決めるのではなく、ご自身の中にある思いや大切にしたいことに気づき、これからを選んでいくための時間です。

「自分がどうしたいのかわからない」という段階でも、どうぞお気軽にお話しください。

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